先物取引の確定申告で専業主婦損益繰越の例

先物取引の確定申告は、申告分離課税

先物取引の確定申告は、『申告分離課税』方式で前年1月1日〜12月31日までの損益(利益と損失)を計算して行います。
他の所得と合計せず、分離して税額を計算し確定申告によりその税金を納める義務があるのが、申告分離課税制度です。
例えば、山林所得、土地建物等の譲渡による譲渡所得、株式等の譲渡所得等、先物取引による所得などが、申告分離課税となっています。確定申告の期間は、2月〜3月中旬です。


税率は、先物取引の決済により生じた利益金額に対して(未決済の評価益は除外)、税率20% (所得税15%・住民税5%)が課税されます。先物取引による利益は、申告分離課税の雑所得あるいは事業所得となります。先物取引の利益から、直接必要な経費は差し引くことができますが、損失が発生しても他の所得と損益通算することはできません


他に事業を営んでいる場合には、その事業にかかる必要経費は先物取引にかかる所得や経費の計算に算入させることはできません。先物取引とその他の事業は別々に計算すると考えたほうがいいでしょう。


確定申告時、先物取引による利益に対する必要経費で認められるのは、口座を開設する場合に請求された印紙代、取引に使用した電話代、先物会社への送金費用、先物取引に使用しているインターネットのプロバイダー代や分析ソフト、通信ソフト代などです。

先物取引の損益(損失・利益)は申告しないと繰越できない

先物取引の確定申告は利益が出たときだけ、所得税や住民税を納めるためにすればいいと考える人がいますが、それは間違いです。


損失した場合、納税の必要はありませんが、損失の確定申告をしておけば、翌年から3年間にわたって繰越控除が可能です。繰り越し控除を受けるため、少し面倒でも損金・損失の確定申告はしておきましょう。既に納税した分の還付申告と違って、遡っての修正申告はできません。


また、確定申告をしてもしなくても、先物取引の利益・損益はすべて税務署に通知されています。先物オプションの場合は、先物会社が売り買い双方の情報を居住税務署に送付する義務があるからです。


先物取引の年間合計がマイナスの収支だと、確定申告をしなくても何もないかもしれませんが、利益があると、ある日突然税務署から呼び出されるでしょう。

専業主婦が先物取引で利益を出した場合

専業主婦が先物取引で利益を出したら、確定申告や税金、健康保険、国民年金はどうなるでしょうか。


専業主婦の場合、38万円(基礎控除額)を超える利益がでたら扶養家族には該当しなくなり、夫は配偶者控除が受けられなくなります。妻には基本的に「所得税」(国税) の納付義務が生じます。「住民税」(地方税)も確定申告をした年から支払うことになります。(ただし合計所得金額が38万円超76万円未満であるとき、配偶者特別控除の適用がある場合があります。)


夫が会社の年末調整で配偶者控除を受けているなら、確定申告をして配偶者控除を返上する手続きをとる必要があります。税金の追納です。また夫が会社から「扶養手当」などをもらっていれば、取り消される可能性もあります。社内規定に従うことになるでしょう。


また妻が夫の健康保険の被扶養でいられるかどうかは、夫の会社が所属している健康保険組合に確認してください。100万円ぐらいの利益(所得)までであれば健康保険の扶養に入れるケースが多いでしょう。


もし妻がかなりの所得になっていれば、国民健康保険と国民年金に加入することになります。そして次の年になったら、再度、夫の扶養になる手続きを取ります。住民税や健康保険料等は前年度の収入にたいする課税ですから確定申告の写しが市町村にいき、確定申告をした年は住民税がかかることになります。

会社員で、先物取引の確定申告が必要な場合

会社員・サラリーマンだと、副収入が20万円以下の場合は申告をしなくてもいいことになっています。20万円以上なら、確定申告をし、所得税・住民税を納税することになります。このとき、会社の給与所得にかかる税額とは完全に別枠で分離されているので、確定申告は会社側の事務処理には全く影響がありません。つまり、勤務先の会社が先物取引での利益を把握することはありません。